「牧野映像美術館」について

まもなく6月ですね。
小倉・酒房武蔵にて開催の牧野映像美術館の日も近づいてきております。
どんな内容なのだろうと疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
牧野さんご本人からお言葉をいただいています。どうぞお読みください。

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牧野映像美術館について            
        
昨年、初めての画文集『僕は、太陽をのむ』の制作のために、これまで幼稚園の頃から五十年近く、段ボール箱につめて小倉の実家の倉庫に置いたままになっていた自作の整理を行った。母が、将来見たくなることがあるかもしれないと大切に保管してくれていたものだが、古いものは、埃で絵が見えなくなっていたり、また、一学年下の弟の絵との判別が難しかったりして、ひと通り分類して整理するのに二ヶ月ばかりかかってしまった。
しかし、それは幼年期にのびのびと自由に描いていた頃の絵や、もう忘れ去っていた若き日の自分の絵との対面する時間でもあった。ふらふらと流れにまかせて描いてきた自分には、あらためて自分の絵というものを見つめ直し、今後の画業について考えてみるよい機会ともなった。
作品は大別すると、幼稚園時代、小学生時代、中学・高校時代、美術大学時代、会社員時代、会社を辞めてのからの活動の時代に分かれた。そして、会社を辞めてからは、デザインや出版、広告など絵を核とした活動範囲が多岐にわたり、時間軸だけで区切って仕分けをするのは難しくなった。
この画文集は、20代前半の画家を志す頃から現在までの、極めて自主的に描いた絵だけを収載し、その時代を文章としてまとめたものであるが、牧野映像美術館には、それ以前の作品や書籍の取材などの仕事を通じて描いた作品なども収めた。また、白黒で印刷した絵の色も伝え、本書を読者の方々により楽しんでいただけるようなものにしたいと思う。 

                                                        2016年5月20日 牧野伊三夫

※映し出す画像は219点。主な内容は以下の通り。 
1、 幼稚園から小学校/絵日記、図画工作の時間に描いたもの、漫画など
2、 中学・高校・大学/絵本など
3、 20〜30代/初めての個展
     貧しきアトリエ
     旅先でのスケッチ
     イラストレーションの仕事(出版、広告)
     音を描く試み
4、40代以降/郷愁
       文学や音楽との関わり
       旅、身近なもの
(画家としてのテーマを求めて)

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会場には牧野さんの原画も数点展示する予定です。大変充実した内容の牧野映像美術館、この機会を逃さぬよう。
(6/11開催の牧野映像美術館について、詳しくはこちらを→

また、クエスト小倉本店にて、牧野伊三夫さんの画文集を刊行した「港の人」と、小坂章子さん(書肆侃侃房)、岡崎武志さんご著書のブックフェアを現在開催中です。(コーナーは、一階のエスカレーター前です。)


牧野伊三夫さんが装幀、挿画をされた『ここが私の東京』岡崎武志著(扶桑社)


四月と十月文庫6『僕は、太陽をのむ』牧野伊三夫著(港の人)


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(よしい)


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