しましま


こんにちは、古書城田女将です。
先日、藍島・馬島航路の船に乗ってきました。なかなか残暑がおさまらなかったので、こうなったらギリギリまで夏を堪能しよう!という魂胆。
北九州の海&島は、雲のうえの4号で特集されましたね。

小倉駅新幹線口へ。新しくできた噴水公園、AIMを左手に見つつ進み、信号を渡ると海への小さな待合。



ちょうど船が到着したところだったようで、意外と降りてくる人の数が多いことに驚きました。行く人、行った人、通う人、帰る人…。


待合に入ると、保育園さん達がワイワイ!赤白帽かぶって、自分の体と大して大きさの変わらないリュックを背負って、元気いっぱい。島の保育園さん達が遠足に行くのだそう。


島へ帰る中学生さんたちもやってきました。島から毎日船で通学なんて、ちょっとウラヤマシイ。遅刻厳禁だけれど。(それはどこも同じか)。


中学生さんたちは、保育園さん達や引率の先生と「どこに行くん?」「気をつけりよ。」となんの遠慮や気恥ずかしさもない感じでおしゃべりしていました。もしかしたら中学生さんたちも、この先生に育てられたのかもしれません。そしてまた、大きな子が幼い子の面倒をみる。島のみんなが家族ってホントなのかもしれないなぁ、と感じた一コマでした。





私を大航海にいざなってくれる「こくら丸」。白くまぶしい船体に、今日の海と空を写したようなラインが凛々しい。


小さな切符を握りしめ船に乗り込むと、そこから見える街は全く別の景色。
出発したらどれだけ素晴らしい景色が見られるのだろうと、すでに興奮が収まりきれません。





14時30分。汽笛も高らかに出港!どんどん街が離れていきます。





代わりにどんどん工場が近づいてきます。大煙突が大迫力!






さすが交通の要所、色んな船とすれ違います。




漁師さんの船かしら?皿倉山があんなに遠い。





島々が見えてきました。ホットケーキみたいにふっくらしたのは六連島。左が馬島かな?




馬島の港に到着。一人を降ろして出港。
若松の風車がぐるぐる回る。





ここまで来ると山陰の山並みがくっきり。





ついに藍島到着!!




港近くの五社宮。チャリ~ン、パン、パン。島にお邪魔いたします。





そのお隣には小さな売店。炎天下のもと翻る「氷」のノボリに思わず駆け出します。
お店の前では島の女性たちが休憩していました。


「このアイス、今の船で届いたんよ。」とおかみさん。
そうだ、船に乗ってきたのは人だけじゃなかったんだ、と改めて思いながら凍りパインにノドを潤します。



「藍島は猫がたくさんいる」と聞いていたとおり、早速挨拶に来てくれました。




他の猫は…?と探しに行こうとしたその時、出港間近を知らせる汽笛が!
そう、この便は島に30分しかいられないのでした。これを逃せば明日の朝まで船はありません。


泣く泣く猫に別れを告げて乗船、出港。
さようなら島よ、また来る日まで…



その傍らでは船を留めていた綱を引き入れる船員さんの姿が。キビキビとした綱さばきにうっとりしてしまいます。
すると船員さんが話しかけて下さいました。写真を撮るなら空気の澄んだ冬がいいことや、午前の小倉発で藍島に行き、その後馬島の順に辿ると島をゆっくり見てまわれることなどを教えてくれました。船についても


「機関室はブレーキを止めた直後に一番暑くなります。運行中もだいたい40度くらい。夏に機関室に入るのは堪えますね。」


と話してくださって、その笑顔に海の道が支えられていることを知りました。





行きよりもさらに西に傾いた太陽に煙突。





ただいま、小倉。




釣り人や、島散策を楽しんだらしいおばさま、トランクを引く島の若い人と、意外と船に乗っていた人の数が多いことに驚きました。私も行った人、帰る人になって船を降ります。


2時間の小旅行。これらの島を、知ってはいるけど行ったことがないという方は、今がその時かもしれませんよ。
(古書城田女将)