ここもいいっちゃ!

すっかり春がやってきて、お出かけが楽しくなる季節になりましたね。
こんな日は「雲のうえのしたで」をお供に若松を街歩きしてみては?
今日はその0号に登場した、宇崎商店さんのお話を。



宇崎商店は商店街から一歩入ったところにある、製粉・生豆の卸業をされているお店です。




ドラム缶を生豆の入れ物に利用するというアイデアは、先代ご主人のもの。切断と取手の溶接を業者さんにお願いして作ってもらったそうで、今も変わらず使い続けられています。



うずまっているのは一合枡とすりきり棒、じょうご。
一合枡はすりきる度にフチが削れるのでしょう、金属をあてて補強してあります。
すりきる、というひと手間もそのお店の歴史になるのですね。




途中単位が変わったという秤も、壽賀子さん曰く「何年使ったかわからない。」
単位の変更の時は、計量の検査員さんが目盛りの取り替えにわざわざやってきたのだそうです。


これらの道具で豆を量って、1合または100グラムから販売してくれます。


倉庫の奥には、業務用の大きな袋に入った小麦粉が静かに出番を待っています。
それを見守るかのように掲げられているのは、製粉会社の特約店であることを示す年季の入った看板。



「うちの屋号がそこに書いてあるでしょ?ヤマが二つ並んだ形はイリヤマ――入る山ね、というの。それに創業者の三太郎さんの「三」をつけたのが、うちの屋号。」
お店の歴史に想いをはせるのと同時に、何気ない形ひとつひとつにもちゃんと名前がついていることに感心してしまいました。



淀みない記憶と笑顔でお話してくださった壽賀子さん。その元気がお豆にも込められている気がします。ありがとうございます。





そうそう!宇崎商店おすすめの「黒豆の煎り豆」。作り方をご紹介しましょう。



1、黒豆をフライパンにひろげ、弱火でじっくり火を入れます。木べらでコーロコーロと転がして、焦げないように気をつけます。



2、5分から10分の間に、皮が裂けて白い線が入りはじめます。豆が目を覚ますよう。



3、煎り始めて15分くらいすると、筋の色も白からきつね色っぽくなってきます。音もなんとなくカラーンカラーンと乾いた音に。これで完成。





あら熱をとって、ほのかに温かい黒豆の味わいはカクベツです。
完全に冷めたのをポリポリとつまむのも、手が止まらなくなりますよ。
ぜひお試しあれ。
(高野翠・古書城田)






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