WOW WOW ウォール

こんにちは。今日は、北九州に立ちはだかる「壁」についてのお話を。


と言いましても、困難とかの意味ではなくて、ほんとの壁、ウォールです。
北九州には新旧様々な建築がありますが、壁に注目してみるといろんなものが見えてきます。






はじめにこちら。



白い壁に蔦の緑。ミントグリーンの部分は銅版葺きなのだそうです。



北九州市立中央図書館、文学館の外壁です。


設計は磯崎新氏。昭和49年完成。
蔦の手入れがなかなか大変だと聞いたことがありますが、図書館を象徴する存在になっています。
雲のうえ11号には松本清張が図書館に抱いた印象や、自著を寄贈したエピソードも掲載されています。
文学館や、そばの松本清張記念館と合わせて北九州の文学に触れてみるのも、また楽しいですよ。






次はわかりやすいかもしれません。



赤い壁には無数のリベット。




壁は柱に。





今年50周年を迎える若戸大橋の橋脚です。
昭和に作られた橋はリベットが多用されていることが多いですね。
見上げてみると、こんなデザインも。



橋もよく見ればいろんな形の集合体であるのがわかります。






次はレンガ。



デコボコと組まれているのが特徴的。
昨年このブログで「ちょこちょこと生えた緑がアクセント」と、少しだけ紹介したことがあります。





小倉北区茶屋町橋梁です。


明治24年に門司港から黒崎を繋ぐ鉄道のために作られた橋で、築121年!
後にこの路線は廃止されたため、鉄道橋としての役割は20年ほどで終わり、橋だけが残されたそうです。
レンガがデコボコと組まれているのは「下駄っ歯」と呼ばれ、増築するのを念頭に置いた組み方なのだそうですが、当時の人々の美的感覚もデザインとして繁栄されているように感じます。






そして、若松の壁をいくつかご紹介。



鮮やかなストライプ。これとともに美味しそうなにおいも漂ってきます。





茂兵衛まんじゅうのとらやさんは、駅前のお店も市場前のお店も、これが目印。
とらやストライプ、とでも申しましょうか。






こちらは偶然の産物。上野海運ビルの敷地内にある倉庫の壁。



ヒビを修正した跡だと思いますが、アートを感じます。






こちらの壁、なんて粋なんでしょう。



料亭金鍋の外壁です。建てられて100年ほど経つそうです。
一面の黒は、輝く石炭のような、芸者さんの着物のような。
外観のシックな感じとは対照的に、中は紅色の壁の部屋があるなど、趣向を凝らした空間になっているそうです。
石炭でにぎやかだった時代の雰囲気を今に伝えています。






様々な壁、いかがだったでしょうか。
壁を見ると、次第に窓、屋根にも目が行って、建物ひとつで結構楽しめます。
たまには壁にぶつかるのも面白い、ですよ。(古書城田女将)





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